長いお別れ

whistling a merry tune I never heard before

蝉はまだ鳴いているか

昨日聞こえた秋の足音はどこか遠くへ消えてしまった。力強い真夏のような日差しが街中に降り注ぐ。しかし日陰を吹く風は涼しく、完全に真夏に戻ってしまったようでもない。どっちつかずの季節。それは生きているのか死んでいるのかわからない今の自分にぴったりな季節のようにも思える。

明日はようやく通院で、この三週間よく生き延びたなあと自分で感心する。何度もさすがにもう無理かなあと思った。誰かの迷惑になるとか、誰かがきっと悲しむとか、そんなことを考えないこともないのだけれど。

遊んでくれる人がいて助かる。そうでなければきっととっくにまた病院に舞い戻っている気がする。現世にも世間にも未練がなさすぎる。

「文明の利器を駆使して友となり近未来にてしばし語らう」という短歌を過去に詠んだことがあるのだけれど、まあなんかその通りで。ありがたすぎてもったいないと思う。楽しくて幸福なのにね。